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2018.11.13 [イベントレポート]
「エンターテインメントなものが日本のアニメから出てきている」11/1(木):Q&A『ヒズ・マスターズ・ヴォイス』

ヒズマスターズヴォイス

©2018 TIFF
10/31(水)のQ&Aに登壇時のパールフィ・ジョルジ監督、ルットカイ・ジョーフィア(脚本)さん、ポルガール・チャバさん(俳優)

 
11/1(木)、コンペティション『ヒズ・マスターズ・ヴォイス』上映後、パールフィ・ジョルジ監督、俳優のポルガール・チャバさん、脚本のルットカイ・ジョーフィアさんをお迎えし、Q&A が行われました。
作品詳細
 
パールフィ・ジョルジ監督:お招きいただきまして誠にありがとうございます。このようにして東京にやってこれたこと、大変嬉しく思います。我々はかなり日本の映画も勉強して参りましたのでそういった影響がこの映画で少し見られたのではないかと思います。
 
矢田部PD(司会):気になりますね。後ほど聞いてみましょう。
 
ポルガール・チャバさん:皆さんこんにちは。東京にやってこられて大変嬉しく思います。作品をお気に召していただけましたでしょうか。いかがでしょう。ちょっと気になるところですね。
 
ルットカイ・ジョーフィアさん:皆さん今夜はご来場いただきましてありがとうございます。いろいろ質問があると思いますので喜んでお答していきたいと思います。
 
Q:とても楽しませていただきました。ありがとうございます。とてもユニークな作品で本当に聞きたいことはいっぱいあるんですけど一番最初にあったのは、主人公がアメリカに渡って父親の家に訪ねたときにそこの長男から共産主義政権はSFだと思われたみたいな受け答えがあって、主人公たちが82年に父親を失ったということだったので89年までの間、子供時代を共産主義の中で暮らしていた。父親からアメリカからいろんな文化のおもちゃをもらったんだけどそれが届かなくて悔しい思いをしているだとか、そういった部分は、作り手の監督自身も似たような子供時代だったのでしょうか。限られた時間の中で共産主義の中で憧れとか父親にちょっと憧れを重ね合わせていたような感覚を持って観ていたんですけども、その辺を教えていただきたければと思います。
 
パールフィ・ジョルジ監督:おっしゃる通りこれは私にとって非常にパーソナルな、個人的なストーリーでして、確かに当時のハンガリーは共産主義といいますか社会主義ではあったんですけど東欧ということでソ連であるビックブラザーの陰にあったわけですね、ですので、西洋のものは我々にとってキラキラした宝物のようなものに映っていました。西洋の世界はとてもカラフルで豊かで、という印象を持っていたのを覚えています。食に困るということはなかったのですが、多様で豊かな食ではなかったことは確かでした。例えば、バナナを買うのにお店に週末に出るものだったのですが、6時間も並ばなければならないという、貴重なものだったのですね。その父親に関して会話するシーンというのは、即興と言いますか、あまり脚本に書き込んでいなかったので、チャバさんたちが即興でやってくれましたので、彼らの経験も生かされているわけです。
 
矢田部PD:チャバさん、即興よくやられたと監督がおっしゃっていましたけれども、その当時の様子を教えてください。
 
ポルガール・チャバさん:私自身の経験はハンガリーでも田舎育ちでしたので、東側の町だったんですね。東側といってもハンガリーは小さい国なのであんまり大差ないのかもしれませんが、こういった記憶があります。まずロシア語を習わなければならなかったので、2年間学習しました。そのうち英語も習わなければならなくなり、これは、ロシア人の先生に教わらなければならなくなり、ロシア人の先生も私たちと同時期に英語を習い始めて、その先生から教わるという感じでした。ですので、私は英語がちょっと訛っているのですが、これはロシア人の先生に教えてもらった英語です。どんどん西洋化していった様子というのは、一気に開けていったわけではなく、89年まで少しずつ西洋の文化が入ってきたという感じです。そのうちディズニー映画が見られるようになり、そして、町にマクドナルドができてと、一歩ずつ開けていったという感じです。突然ではなかったです。
 
Q:レムの小説が原作ということなんですが、今この時代にレムのその作品を原作として選ばれた理由、パーソナルの作品とおっしゃったのに原作というのがちょっと気になったのでその理由を教えていただきたいのと、既に他のQ&Aでお話になられたようですが、日本のアニメの影響を受けてらっしゃるとお話があったようなんですが、それも含めてお話いただけますか。
 
パールフィ・ジョルジ監督:私はレムの原作の小説のファンで今回映画化したわけですけれども、何が好きかといいますとミクロコスモスとマクロコスモスの間を瞬時にジャンプできるところが好きなんですね。ですので彼が書いている小説というのは今回この小説は研究者の科学者の頭の中というか研究の回想録な訳なんですね。なんですけれどそれでもって宇宙を語るわけですよ。そして人間が宇宙に対して問いかけている問いを投げかけるわけですね。我々はなぜ生きているのかどのようにして始めるべきなのか他の文明はあるのか他の文明と出会ったならば何が起きそうなのか。そういったことを問いかけます。例えば西欧の世界がアフリカ大陸へやってきてインディアンと会ったときに何が起こったのか、我々は既に歴史から学んでいる訳なのですが、その時にして文明と文明が出会ったときに衝突。どういった出来事が起きるのか。そういったことを問いかける訳です。我々は宇宙の中の唯一のものなのか、あるいは他に何かあるのか。そういったことを考えさせるわけですが、彼の小説はというのは全てオフィスの中の展開をしながらも全宇宙を語っていくという素敵さがあります。
私はおっしゃっていたように日本のアニメが大好きです。何が好きかといいますと脚本の場合は言葉で紡いでいくという作業なのですが、日本のアニメは文法が違うといいますか、まるでアメリカの古いクラシック映画のような、そういった文法だと思います。ようは語るアプローチが違うといいますか、例えば違う主題を同時期に見せても観客を楽しませることが出来る。とてもエンターテインメントなものが日本のアニメから出てきていると思います。そういった要素から学び今回の映画の中にも少し散り分けられてます。
 
Q:他の作品で使われている過去のフッテージやYouTube、デジタルデバイスの画面などを使ってやる気を上げていったり物語を構成していくというのは世界的にやり方があると思うのですが、一方で主人公が体験する非日常だったり幻想的な風景だったり体験というのは今のハリウッドのビッグバジェットの映画と違って、すごくリアルでスペクタルでした。主人公がどこか不思議なところに置かれて奇妙で不自然でした。その辺の不自然さとは逆に演出されたのかなと思ったのですが、そういったのはありますか?
 
パールフィ・ジョルジ監督:なかなか答えにくい質問なのですが、こういいましょう。半分は自分のマインドで半分は腹から。直観的に撮っているんですね。マインドと直観の両方をミックスして観客の皆さんに伝えていくのが監督の仕事だと思います。なので撮影の時は直感に従ってやっています。もちろんワンカットワンカットどのように構成していくのかは考えますが、たまに自分の作品を1年後、2年後、3年後に観ることがあるのですが、その時にようやくなぜ自分がそうしたのか分かったりします。我ながらびっくりします。これは精神科医とかに見てもらわないといけない部分なのかもしれませんが、そういった感覚です。 
 
矢田部PD:ありがとうございます。
せっかくチャバさんもいらしているので短く、少しだけお聞きしたいのですが、チャバさんはパールフィ監督はどういう監督ですか?とお聞きしたらどのようにお答えしますか

 
ポルガール・チャバさん:好奇心旺盛な監督ですね。

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