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東京国際映画祭 フェスティバル・ディレクター ご挨拶
映画祭は「映画を観る喜び」を共有する場所であり時間
久松 猛朗

フェスティバル・ディレクターに就任した昨年、第30回の記念開催に当たり、これから東京国際映画祭が進むべき指標として、「映画を観る喜びの共有」「映画人たちの交流の促進」「映画の未来の開拓」の三つをビジョンとして掲げました。

このビジョンに基づき、「映画を観る喜び」では、大規模なオールナイト上映や、世代を超えて楽しめるミュージカル特集、また、野外上映やシネマコンサートなど、映画ファンの皆様に幅広く楽しんで頂く企画を新たに実施いたしました。

また「映画人たちの交流」では、会場内に三つの交流ポイントを設け、参加した映画製作関係者、映画ビジネス関係者、マスコミ、映画ファンが交流する様々な機会を用意して交流を促進しました。

そして「映画の未来の開拓」では、若手あるいは将来のクリエイターたちに対し、河瀨直美監督や曽利文彦監督、第62回カンヌ映画祭で監督賞を受賞したブリランテ・メンドーサ監督、音楽家の坂本龍一氏にトークイベントをして頂きました。また、未来のクリエイターを開拓する目的で、中学生を対象とした映画製作ワークショップも開催しました。

第31回を迎える今年は、第30回で掲げた三つのビジョンを更に推し進め、強化することこそを、テーマにしたいと思います。

映画祭は「映画を観る喜びを共有する場所であり時間」だと思います。それがなければ、映画ファンは映画から離れてしまい、映画産業は衰退してしまいます。より多くの皆様に「映画を観る喜び、楽しさ」を体験し、共有して頂ける様、より充実したプログラムで皆様をお迎えしたいと思います。

同時に開催されますTIFFCOMとも緊密に連携しながら、「映画文化と映画産業の発展」という映画祭の究極のミッション達成に向けて、スタッフ一同全力で取り組んで行く所存です。皆様の、より一層のご支援ご協力をお願い申し上げます。

第31回東京国際映画祭
フェスティバル・ディレクター
久松 猛朗
久松 猛朗(ひさまつ たけお) 略歴

1954年山口県下関市生まれ。78年松竹株式会社に入社。宣伝プロデューサー、映画興行部・番組編成担当等の勤務を経て86年 にアメリカ松竹「リトル東京シネマ」の支配人となる。89年に東京へ戻り、興行部次長に就任。94年タイムワーナーエンターテイメントジャパン株式会社に入社し、ワーナーブラザース映画の営業本部長となる。その後、松竹株式会社に再入社し、2001年取締役映画部門&映像企画部門を担当。03年に常務取締役に就任する。06年株式会社衛星劇場 代表取締役社長を経て、10年ワーナーエンターテイメント・ジャパン株式会社に再入社。ワーナーブラザース映画 副代表となる。現在はマイウェイムービーズ合同会社 代表。

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