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本年度審査委員

コンペティション部門国際審査委員

審査委員長

ブリランテ・メンドーサ

ブリランテ・メンドーサ

Brillante Ma Mendoza

映画監督

ネオレアリズモ的志向と、現実社会や極限の環境に生きる庶民を描く作風は高く評価されている。監督第1作『マニラ・デイドリーム』で2005年ロカルノ国際映画祭金豹賞を受賞。07年『どん底』がベルリン映画祭にてカリガリ賞を受賞した後、12年に『囚われ人 パラワン島観光客21人誘拐事件』が同映画祭コンペティション部門に入選。一方、ヴェネチア映画祭では、 09年に『グランドマザー』が金獅子賞にノミネート、12年『汝が子宮』がLa Navicella Venezia Cinema Awardを受賞した。最もよく知られている受賞は、09年に『キナタイ マニラ・アンダーグラウンド』でカンヌ映画祭監督賞の栄冠に輝いたことだ。15年の『罠(わな)~被災地に生きる』は同映画祭のエキュメニカル審査員賞を受賞、翌年の『ローサは密告された』は最優秀女優賞に輝いた。同作は17年の米国アカデミー賞のフィリピン代表作品となった。近年、フランス政府より芸術文化勲章シュヴァリエを授与された。

あいさつ
映画は異なる人々や文化に理解をもたらす強力なツールだと私は信じています。2016年の東京国際映画祭で上映された『アジア三面鏡2016:リフレクションズ』に、日本の行定勲監督、カンボジアのソト・クォーリーカー監督と共に参加した時も、それは明らかでした。
今年の東京国際映画祭の開催に向けて世界が再び日本に注目するなか、今年度の映画祭において、世界中の映画から選りすぐられた入選作を評価するという、名誉ある審査委員の一員となれることは大変な栄誉です。
若いクリエイターの育成、未来のクリエイターの創出に取り組み、彼らが世界に羽ばたいていくプラットフォームとしての役割を果たす――この東京国際映画祭の使命を体現するという、やりがいのある責務を全うしたいと思います。
映画館でお会いしましょう。

審査委員

ブライアン・バーク

ブライアン・バーク

Bryan Burk

プロデューサー

映画プロデューサーとして20年近く映画・テレビ業界で着実にキャリアを重ねてきた。2001年、J・J・エイブラムスと共にバッド・ロボット・プロダクションズを設立し、「エイリアス」「LOST」「FRINGE/フリンジ」「PERSON of INTEREST 犯罪予知ユニット」「11/22/63」「ウエストワールド」など数々の番組を制作、賞を獲得した。エイブラムスとの仕事は長編映画に拡大し、マット・リーヴス監督作『クローバーフィールド/HAKAISHA』を発表。その後、『スター・トレック』(09)『スター・トレック イントゥ・ダークネス』(13)へと続く。また、ブラッド・バード監督作『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』、クリストファー・マッカリー監督作『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』をエイブラムスとトム・クルーズと共同プロデュース。『SUPER 8/スーパーエイト』をスティーヴン・スピルバーグと共同プロデュースした。15年には『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』をエイブラムスとキャスリーン・ケネディと共同プロデュース。昨年制作したナショナル・ジオグラフィックの「ジェーン・グドール 我が愛しのチンパンジー」で、放送映画批評家協会賞、全米製作者組合賞、ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞など複数のドキュメンタリー賞を受賞した。

あいさつ
ずいぶん幼い頃に、私は映画に夢中になりました。ただ観るだけではなく、作ることにです。10代ですでに、分野はどうであれ、映画界で生きることを決めていました。
30年近く前、初めて日本に旅をして、新たな興味が湧いてきました。人、文化、歴史、食、そしてもちろん畏怖すべき映画。私は生涯の日本愛好者になりました。今年の東京国際映画祭の審査員を打診されたとき、ふたつの情熱を一度に叶えられるこの機会は、今まで想像もしていなかった夢のようだと思えました。これは大変な栄誉であり、世界的に知られる映画祭に参加できることを嬉しく思います。
タラネ・アリドゥスティ

タラネ・アリドゥスティ

Taraneh Alidoosti

女優

17歳の時、「私は15歳』(02、ラスール・サドレアメリ監督)の主役で俳優デビュー。男性と別れ一人で子供を育てる決意をした大胆な15歳が貧困や社会の偏見と闘う姿を演じた演技力は絶賛され、02年にロカルノ国際映画祭および第20回フアジル映画祭で最優秀女優賞を獲得。ファジル映画祭での同賞受賞の史上最年少記録を打ち立てた。その後の3つの出演作でも連続して同賞にノミネートされるという快挙も成し遂げた。以来、舞台と映画の両方で着実に、かつ厳選した仕事を続けている。出演作選びにこだわり、特に意欲的で波乱に満ちた役柄を受けることで知られている。長年、仕事を共にしているアカデミー賞受賞監督のアスガー・ファルハディによる作品がその例であり、同世代では最も評価の高い女優の一人である。イランを代表する数々の映画賞と栄誉を獲得している。

あいさつ
子供の頃の私は、大事な思春期真っ只中でも、映画オタクではありませんでした。映画好きですらなく、月並みなティーンエイジャーの女の子のように人気映画や有名な外国映画を見るくらいでした。父は真剣な映画愛好者でしたので、おそらくその影響で映画に対して親近感は抱いていたと思います。でもどういうわけか、私はとても若い頃から自国の映画界の中心で仕事をするようになりました。やってみようと決心した瞬間に始まったのです。
今でも不思議な縁だなと思いますが、その日以来、映画との愛憎関係が続いています。演じることはいつも楽しく、物語の語り手であることは崇高なことです。大義のため人々の思いを代弁する演者であろうと、子供たちを大笑いさせるためのパペットであろうと、演じることは私にとって大切です。つまるところ、映画をこれほど偉大な芸術にしているのは魔法のような大きなスクリーンではなく、あらゆる境遇の人々が集い、互いを身近に感じ合える大きな空間にあるのだと思い至りました。それがあるからこそ私は映画に引き付けられるのです。多くの良作を身近に感じられる恩恵にはどれほど感謝してもしきれません。
スタンリー・クワン

スタンリー・クワン

Stanley Kwan

監督/プロデューサー

監督第3作『ルージュ』で国際的評価を確立し、世界で多くのファンを獲得した。その後、『ロアン・リンユィ 阮玲玉』がベルリン映画祭で上映され、主演マギー・チャンが最優秀女優賞を獲得。『ホールド・ユー・タイト』が再びベルリン映画祭に入選し、画期的な作品に贈られるアルフレッド・バウアー賞、優れたLGBT作品に贈られるテディ賞に輝いた。2001年『藍宇 ~情熱の嵐~』は台湾金馬奨の最優秀監督賞を受賞した。監督業の他、プロデューサーとしても活躍し、現在の香港映画界で最も著名な映画人のひとりである。最新作"First Night Nerves"は今年の釜山国際映画祭で世界初上映される。

あいさつ
東京と聞くと大学時代を思い出します。映画科の教授が小津安二郎監督の『東京物語』を薦めてくれました。私の父は若くに亡くなりました。私が13歳の時です。部屋で『東京物語』を見た後、感情が抑えきれないほど深く心に響きました。古い中国のことわざに「風樹の嘆」というのがあります。木は静かに立っていたいのに風は止まない。親孝行したいけれど親はもういない。父が生きてくれていれば、私も弟妹も親孝行できるのに。父が亡くなって、母は長男の私に愛情を注いでくれました。同時に、弟妹よりも厳しくもありました。私がお小遣いを使ってひとりで映画を見に行っていると知った母は私をきつく叱りました。それでも影に隠れて、一番安いチケットを買い続けました。真っ暗な映画館にひとりで座るのが楽しく、銀幕が映る明るい光に魅せられました。昔の映画館は大きかったですが、観客の数がどれほど多くても、誰にも邪魔されることなく映画が与えてくれる楽しさと安心感にひたり、まるで周りに誰もいないような感覚になれました。それが若い頃の映画体験です。映画を作り始めてからも、スタッフや制作チームに守られているような安心感に包まれました。何にも邪魔されることなく、監督の私は映画作りに没頭できるのです。こういうわけで、見ることと作ること、この2つが私に最大の安心感をもたらしてくれると常々言い続けています。東京国際映画祭の審査委員を務めること、そして映画に没頭できる機会を楽しみにしています。
南果歩

南 果歩

Kaho Minami

女優

1984年に映画「伽椰子のために』(小栗康平監督)のヒロイン役オーディションに合格し映画デビュー。『夢見通りの人々』(89/森崎東監督)で第32回ブルーリボン賞助演女優賞。『お父さんのバックドロップ』(04/李闘士男監督)で第19回高崎映画祭最優秀助演女優賞を受賞。主な作品に、映画『葛城事件』(赤堀雅秋監督)、『さよなら歌舞伎町』(廣木隆一監督)、『家族X」(吉田光希監督)、『海炭市叙景』(熊切和嘉監督)、『おもちゃ』(深作欣二監督)。『Masterless』(Craig Shimahara監督)『OH LUCY!』(平柳敦子監督)ではアメリカにも活動の場を広げた。舞台「パーマ屋スミレ」(鄭義信演出)、「グリークス」(蜷川幸雄演出)、「メアリーステュアート」(宮本亜門演出)、「マクベス」(アレキサンドル・ダリエ演出)、「ガラスの動物園」(鴨下信一演出)、「ロミオとジュリエット」(坂東玉三郎演出)等。著書に「眠るまえに、お話ふたつ」(講談社)、「瞬間幸福」(文化出版局)。近年ライフワークとして絵本の読み聞かせを精力的に行っており、東北や熊本など被災地中心に活動している。

あいさつ
第11回では『おもちゃ』、第23回では『海炭市叙景』で、そして今回は審査員の一員として東京国際映画祭に参加できることを楽しみにしています。2011年に起きた東日本大震災の後、被災地を尋ねて様々な人達と対話して来ました。避難所で不自由な暮らしをされ終日ニュースが流れる中、皆さんは私に「映画やドラマが見たいんです」と言ってくださった。自然の脅威の前に女優と言う職業に何の意味があるのかと自問自答していた私には、物語が如何に人生に不可欠なものかを教えられた瞬間でした。今回は審査員として様々な国の映画に浸り、物語の中に身を置ける幸せを感じています。第31回東京国際映画祭が成功するように、私自身も積極的に参加していきたいと思っています。

アジアの未来 審査委員

作品賞
国際交流基金アジアセンター 特別賞 審査委員

ジェレミー・スゲ

ジェレミー・スゲ

Jérémy Segay

ユニフランス 日本・韓国・東南アジア担当

ドーヴィル・アジア映画祭、カンヌ映画祭監督週間、パリ・シネマなどの映画祭でプログラマーを務めていた。これまでポンピドゥーセンターやシンガポール国立博物館などで回顧上映会なども企画。 2011年から5年間台北で文化外交の業務を担当した。

ピート・テオ

ピート・テオ

Pete Teo

ミュージシャン/俳優/映画監督

マレーシアで最も有名なアーティストのひとり。シンガーソングライターおよび映画音楽作曲家として人気を獲得した後、映画監督として活動を始める。その活動はマレーシアの政治情勢に変化をもたらす役割を果たし、CNNが選ぶ“注目すべき135人のアジア人”ポップカルチャー部門に選出された。映画や音楽の創作をしていない時は、クアラルンプール近郊の美しいオーガニック農場を経営している。

山下敦弘

©Hako Hosokawa

山下敦弘

Nobuhiro Yamashita

映画監督

1976年生まれ。『どんてん生活』(99)などダメ男三部作を経て『リンダ リンダ リンダ』(05)でスマッシュヒットを飛ばす。以降『天然コケッコー』(07)『マイ・バック・ページ』(11)『苦役列車』(12)『もらとりあむタマ子』(13)『味園ユニバース』(15)『ぼくのおじさん』(16)と、作家性と娯楽性を混ぜ合わせた作風で人気を呼んでいる。最新作『ハード・コア』は2018年11月23日公開。

日本映画スプラッシュ 審査委員

作品賞
監督賞 審査委員

パオロ・ベルトリン

パオロ・ベルトリン

Paolo Bertolin

カンヌ映画祭監督週間プログラマー

映画祭プログラマー、映画ライター、プロデューサー。現在、カンヌ映画祭監督週間の選定委員会メンバー。ヴェネチア映画祭のプログラマーおよびアジア作品担当を10年間務めた。プロデューサーとして、ベルリン映画祭コンペティション作品『大親父と、小親父と、その他の話』『痛ましき謎への子守唄』を手掛けた。

ノア・コーワン

ノア・コーワン

Noah Cowan

サンフランシスコ国際映画祭 エグゼクティブ・ディレクター

2014年からSFFILMエグゼクティブ・ディレクター。彼の指揮の下、同団体は年1回のサンフランシスコ国際映画祭、通年の映画上映プログラム、作家育成プロジェクトなど、活動の分野を大きく拡大した。現職以前は、TIFF Bellライトボックスのアーティスティック・ディレクター、トロント国際映画祭の共同ディレクターを歴任。

入江 悠

入江 悠

Yu Irie

映画監督

2009年、自主制作による『SR サイタマノラッパー』が大きな話題を呼び、第50回日本映画監督協会新人賞など多数受賞。その後、10年、12年と同シリーズ続編を制作。『劇場版 神聖かまってちゃん ロックンロールは鳴り止まないっ』(11)で高崎映画祭新進監督賞。その他監督作に『日々ロック』(14)『ジョーカー・ゲーム』(15)『太陽』(16)『22年目の告白-私が殺人犯です-』(17)『ビジランテ』(17)等がある。

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