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2018.11.08 [イベントレポート]
「偽物の中にある本物の人間の欲望を垣間見ることができる」10/30(火):Q&A『月極オトコトモダチ』

月極オトコトモダチ

10/28(日)開催されたQ&Aに登壇された際の穐山茉由監督
©2018 TIFF

 
10/30(火)、日本映画スプラッシュ『月極オトコトモダチ』上映後、穐山茉由監督をお迎えし、Q&A が行われました。
作品詳細
 
司会:映画祭でご自身の作ったものが大きなスクリーンで流れるというのはどういう気持ちですか?
 
穐山茉由監督:そうですね。数日前に一番最初にTOHOシネマズでプレス向けの上映で観させていただいたのですが、自分の映画が流れるというのはとても不思議な感覚で、すごく胸がいっぱいになってしまいました。
 
司会:長編デビュー作ということですけれども、長編の企画としてこの作品にしようと思ったのはどうしてなんですか?
 
穐山茉由監督:実はMOOSIC LAB(ムージック・ラボ)という音楽と映画のコラボの映画祭というか企画があるんですけれども、そちらに向けて作った映画なんです。その映画祭の決まりというか、音楽を絡めていくっていうのがひとつ軸であったので、まず最初に音楽をどうしようかっていうところから始めました。あとはプロットを考えていたときに、ちょうどレンタル友達、レンタルフレンドをSNSの拡散用というか、自分にはたくさん友達いるよと見せるために雇うという、そういうビジネスがあるっていう記事を読んだことがあって、それからずっとレンタル友達が気になっていて。人間の欲望みたいなことを描けるんじゃないかと思ってずっと気になっていた時に、男女の友情っていうのを合わせてみたらきっと化学反応が起きそうと思い、今回のこの話に至りました。
 
Q:ひとつが、間違いがなければスクリーンのサイズがヨーロピアン・ビスタだったと思うのですが、それはどうしてですか?キャストの名前はどうやって決めたのですか?
 
穐山茉由監督:ヨーロピアン・ビスタについてですが、長編作品を撮るのは初めてですが、短編作品はいくつか撮っていたのですが、いわゆる一般的な16:9のサイズしか撮ったことがありませんでした。ずっと違うフレームに憧れはありましたが、何か理由が欲しいなって思っていて、なかなか撮れていませんでした。今回のカメラマンの中瀬 慧さんと話したとき、中瀬さんが先に「ヨーロピアン・ビスタだね、これは」って言いだして。私もピンときて。普通の16:9の画角よりちょっとだけ狭いんですよね。今回やりたかった人間の関係性の変化みたいなのを、ちょっと狭いところで見せていけたらいいなという気持ちもあってたので、採用しました。
 
司会:お名前が、那沙(なさ)・柳瀬(やなせ)・珠希(たまき)。那沙はちょっと新鮮でした。
 
穐山茉由監督:役名を考えるのがすごく好きで。名前は一番最初のプロットの時に書くので、理由があるってわけじゃなくて。那沙は望月那沙っていうんですけど、響きが好きなんです。ちょっと宇宙を連想してそこからきましたね。いつもは、ネットの日本人名前図鑑とかそういうのでひたすら探してピンってきたものから色々バランスを考えてつけたりします。名前はすごくこだわっているので質問していただけて嬉しいです。
 
司会:他に気に入ってる名前はありますか?柳瀬草太とか…
 
穐山茉由監督:柳瀬草太は、那沙はずっと柳瀬のことを柳瀬って呼ぶんですよね。珠希はずっと草太って呼ぶんですけど。ちょっと名前っぽい苗字にしたかったんです。ちょっとさらっと呼べるような親しみのある、覚えやすいような。もしも秋山とかだと、本当に苗字を呼んでる感じがしちゃうんですけど、柳瀬ってなんかちょっと名前っぽい感じがしてそういうのがいいなと思ったので柳瀬にしました。
 
Q:穐山監督が会社員をされていると聞いているのですけれども、会社員をやっていることによって映画の撮影の支障というか困っていることあったりとか、逆に映画監督やっているからによってちょっと会社の仕事で困ったことがあったりだとか、そういうのがあったら教えていただけますでしょうか?
 
穐山茉由監督;完全に自主映画なので、私の貯金も含めてという感じなのです。時間は本当にタイトですね。撮影の日にちもそうですし、準備期間も。特にこれMOOSIC LABに向けて作っていたので、おしりが決まっているんですよね。今年の年始1月ぐらいからプロットを含めて着手し始めて、6月には撮影というのが決まっていたので、キャストのスケジュール含めてかなり大変でした、でも、締め切りがあるっていうのは映画作りにとってすごく大事で(笑)。なかなかこう納得いくまでやり続けちゃうと、使えるだけ時間使っちゃっても、たぶんいいもの出来ないと思うんですよね(笑)。シナリオも納得がいかなくて。なのでどこかで区切りをつけて、もう「えい!」って。そこでみんなの意見を聞きながら、新しいもの作っていくっていうやり方が私には合っていたので、時間は十分ではなかったですけれど頑張りました。
 
司会:では週末撮影がメインではあったのですか?
 
穐山茉由監督:撮影の時は一週間休みを取って、その前後の土日とかも使って9日間ぶっ続けの撮影でした。
 
司会:会社の方には映画を撮っていることは言ってあるんですか?
 
穐山茉由監督:前回の短編作品が田辺・弁慶映画祭で上映されたので、そのあたりから、ちゃんと言っておかないとまずいな(笑)と思って、きちんと言うようにしていました。今回も言っていたんですけれども、映像業界ではないので、結構珍しがってくれると言いますか、応援してくれるすごくいい環境でした。本当にサポートなしには撮れなかったですね。
 
Q:会社員の穐山さんと10年以上の知り合いなんですけど、映画監督やっているって知らなくて(笑)。教えてもくれなかったんですけれど(笑)。今後も二足の草鞋をつけ続けていくのか、映画監督として活動するのか教えてください。
 
司会:内緒にしている方もいらっしゃるんですね?(笑)たまたま言う機会がなかったとか?(笑)
 
穐山茉由監督:なかなか言う機会ないですよ(笑)。すみませんでした!一応Facebookとかそういうのではオープンにしていたつもりだったんですけど、なかなか目につかないこともあると思いますので(笑)。
 
司会:今後は?
 
穐山茉由監督:今後はですね・・・今回の『月極オトコトモダチ』を撮ったのも、やっぱり自分の社会人経験もそれなりに役には立っていたので、違う世界を観られるという部分でいる意味はあるなと思っているので、できるだけクビにならないように(笑)いたいなと思っているんですけれども。でも、こうやって上映させていただいて、そういう機会も増えてきたので、ちょっとバランスを相談しながらかなとは思っています。
 
司会:格好いいですね。ところで、レンタル友達のシステムをこの映画を撮るために監督さんは実際に利用したらしいのですが、そのお話をお聞きしたいです。
 
穐山茉由監督:はい。那沙と同じで一応取材として借りました(笑)。すごく面白くて、やってみて気づかされたのが、レンタル友達って色物感覚に考えちゃうじゃないですか。
 
司会:そうですね。深いスキンシップとか必要なのかなと思ってしまいますよね。
 
穐山茉由監督:実際物語と同じような、30代くらいの男性をお願いして来てもらったんですけど、ただお話をしただけだったんですけど、私がお金を払って契約で友達という前提があるからなのか、すごく安心して話せるというか、何か全部受け止めてもらえている。錯覚なのかもしれないですけども、そこに安心感を感じてしまった自分にびっくりしました。きっとこういう感じではまってしまう人もいるんだろうなと理解できました。やってみないとわからないですね。偽物の中にある本物の人間の欲望というか、感情みたいなのを垣間見ることができた気がしています。今回の映画の那沙の女子的な歪んだ欲望を、皆さんが垣間見るという映画になっているので、観たくないものもあったかもしれないんですけど(笑)観なきゃいけないという、ちょっとしんどい映画なのかもしれないですね。
 
司会;でも需要はあるんだなと思いますね、今の監督のお話を聞いていると。レンタル女友達とかレンタルお母さんとかレンタルお父さんとかあるみたいですので、興味がある方はぜひ(笑)。
 
穐山茉由監督:結婚式の代理出席とかがメインの仕事みたいですね。他にもSNS用とか、色々用途はあるみたいです。
 
Q:橋本 淳さんのキャスティングについて、決め手はありましたか。
 
穐山茉由監督:橋本 淳さんは、キャスティングするという話が進んでいるときに、初めてお会いしました。すごく物腰の柔らかいめちゃくちゃいい人なんですよ。男女関係なく物腰が柔らかくて、すごく素敵でスマートな人なのに、心の奥では何考えているのか分からないなこの人と思って、それがすごく魅力的だったんです。なんかその立ち振る舞いが今回の柳瀬の役にぴったりだなと思ってキャスティングしました。
 
Q:題名だけで面白いんじゃないかってすごいインパクトもあったんでぜひあの、劇場公開とかって決まってるんですか?
 
穐山茉由監督:MOOSIC LABで2018年の11月18日から5回程上映されるんですけど、それ以降はまだ一般公開は決まってないです。
 
司会:ありがとうございます。皆様SNSで発信をよろしくお願いいたします。
 
司会:タイトルはいつ決めたのですが?
 
穐山茉由監督:はい、一番最初に決めましたね。プロットを描いているときに決めたんですけど、レンタルというのをなんか違う言い回しないかなと考えていた時に、そう言えば月極ってあんまり使わないけど気になるワードだなと思って。そこから入って月極にしてしまったから、契約期間を月契約にしなくちゃいけなくなっちゃって(笑)。自分の首を絞めちゃったんです。そこからその制限によって話が広まっていったのですごくよかったんですけど。でもオトコトモダチも最初、月極フレンドとかを考えていたんですけど、やっぱりオトコトモダチっていうちょっと特別な存在というか、特別な存在になると思ったんで、オトコトモダチにしようと。漢字だとすごい硬いのでちょっとひねりを加えてカタカナにしたので、大丈夫かなと思っていました。
 
司会:では最後に皆さんにお伺いしたいのが、男女の友情は成立すると思う方?結構いらっしゃいますね。成立しないと思う方。こちらのほうが少ない。監督はどちらの考えで?
 
穐山茉由監督:私は一定の条件のもとに成り立つと(笑)。
 
司会:どんな条件?
 
穐山茉由監督:私の個人的なのですが、やっぱり仲良くなる男性ってどうしても気にはなっちゃうじゃないですか?なんですけど、たとえばその恋愛にはタイミング的に至らず、なにか乗り越えてしまったときに、なにか固いものになっていくような気がしていて。そういう経験が私にもあるんですけど、それで最後恋愛感情を飛び越えるってここにも書いたんですけど、恋愛感情を飛び越えろっていうのがテーマかなと降ってきてしまう、どうしても自分でコントロールできない恋愛感情というものをなにかこうビューンと飛び越えたときに男女の友情は生まれるのかなと思いました。

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