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2018.11.08 [イベントレポート]
「この原作の映像化が一番予算が少なく済みそうだったのです」10/31(水) :Q&A『ヒズ・マスターズ・ヴォイス』

ヒズ・マスターズ・ヴォイス

©2018 TIFF
記者会見に登壇したパールフィ・ジョルジ監督、ポルガール・チャバさん(俳優)、ルットカイ・ジョーフィアさん(脚本)

 
10/31(水)、コンペティション『ヒズ・マスターズ・ヴォイス』上映後、パールフィ・ジョルジ監督、ポルガール・チャバさん(俳優)、ルットカイ・ジョーフィアさん(脚本)をお迎えし、Q&A が行われました。
作品詳細
 
パールフィ・ジョルジ監督:東京へお招きいただきまして、本当にありがとうございます。これはかなり大掛かりな仕事でして5年かけての製作となりました。ベストを尽くしましたが、皆さん気に入っていただけたのなら嬉しいです。(場内拍手)
 
ポルガール・チャバさん:この度は東京へお招きいただきまして誠にありがとうございました。撮影、そして監督との仕事、楽しかったです。非常に光栄な想いでおります。皆さんとのQ&Aタイム楽しみにしております。
 
ルットカイ・ジョーフィアさん:皆さん、今夜はご来場いただきまして誠にありがとうございます。ハロウィンナイトということで皆さん、パーティーだとか街中へは行かずにこちらへいらしていただいたということでありがとうございます。ハロウィンに相応しい夜に上映する奇妙な映画だと思いますけども(笑)、ご来場いただきましてありがとうございます。非常に大掛かりな仕事でした。そしてこれはSF作家のスタニスワフ・レムさんの小説に基づく作品なんですが、我々のお伝えしたかったことが伝わったのであれば幸いです。人間とは何なのか、そしてどこへ向かっていくのかといったことを考えながら作りました。
 
矢田部PD(司会):監督は『フリー・フォール』という作品を前にワールド・フォーカス部門で上映して、その時は来日は叶わなかったんですけども今回、こうして来てくださって本当に嬉しいんです。全く違うタイプの作品でレムの作品を映画化するという、この作品のどこに惹かれたのかということ、かなり監督流にアレンジされてるとは思うんですけれどもどういうふうに脚色していったかということをお伺いできたらと思います。
 
パールフィ・ジョルジ監督:私はスタニスワフ・レムさんの小説の大ファンでして、一通り全て彼の作品は読んでいるのですが、たまたまこの作品が一番予算のかからなさそうな作品だったので(笑)、今回手掛けました。本当はもっともっと彼の原作を基にしたものを作りたいのですが、これはひたすら数学者の日記といいますか、科学者が実験していく、そして結果も見い出せずにひたすら実験していく内容を記した小説でして何も起こらないという非常に脚色するのがほぼ不可能に近いという小説なんですね。そういったことに挑戦してみたかったんです。
 
矢田部PD:ハンガリーの兄弟がお父さんを探しにいくというのは、これはオリジナルというか監督あるいはジョーフィアさんのアイデアですか?
 
パールフィ・ジョルジ監督:兄弟が父親を探しにいくっていうのは我々のほうで脚色した部分で、元々の小説には含まれていません。小説は先ほど申し上げたように数学者である父親がひたすら実験していくという内容のものになっています。ですので、脚色するうえでこのストーリーと我々をどう関連付けるのかということを考えながらストーリーを作っていきました。数学者の息子からストーリーをどんどん膨らませていきました。その兄弟が父親を探しにいくっていうのは非常に知的といいますか、思考と哲学をひたすら追求していくこの小説をドラマ化するのにひとつとったアプローチだったのであります。
 
矢田部PD:チャバさんは最初に脚本を読まれたとき、どういう印象を持たれたのか教えてください。
 
ポルガール・チャバさん:何層も折り重なっている、そういう映画ですので少し消化するというか理解するのに時間がかかりましたが、少し消化したら、とても面白いという印象を受けました。何か物事が動き出して、そして急に方向転換して、そしてその方向転換された線がまた元へ戻って一転に集約されてそれがまた拡散されていくみたいなそういう感覚があったんですけれども、そういう印象を受けました。
 
Q:スペキュレイティブ・フィクション的なSF映画っていうのが最近増えてきてるなって思いますけども、監督のお考えをぜひお聞かせいただきたいのと予算の制約がなければレフの何を撮りたいですかっていうのをぜひ伺いしたいと思います。
 
パールフィ・ジョルジ監督:我々がこれを企画していたときは、まだそこまでSFものっていうのが数多く出てなかったんですけども、おそらく昨今増えている理由、そして我々がSFに惹かれている理由をという観点からお話しますと、それは我々人間について問うものだからだと思うんです。我々人間の社会を反映する鏡なんだと思います。そして、人間は一体なんなのか。そして我々はなぜ存在しているのか、どこへ向かうのか、こういったことを問います。また、宇宙は沈黙であるのか、あるいは他の生命体があるのかどうか。我々人間がこうして生きているのはたまたまなのか、あるいは何かの意図があってなのか。そういった極めて哲学的なそして実存的な問いを我々に投げかける。そしてそれをエンターテイニング、まあとても面白い形で投げかけてくれるからだと思うんです。
 
矢田部:予算があればレムのどの作品を映画化したいかという質問もございました。
 
パールフィ・ジョルジ監督:いろいろ予算の問題はあるものの、企画を進めようとしているのはこれもまたスタニスワフ・レムの小説に基づくものでして、できればこれを長編のVRものにしたいなと。360度見れる、そういう作品にしたいんですけど。レムのとある短編に基づくものをと考えていて、宇宙船にたった一人男が乗っているという非常にビジュアルにしたら面白いに違いないというのを今考えています。
 
矢田部:それはめちゃくちゃ観たいですね。ぜひお待ちしております。
 
Q:主役のチャバさんに質問ですが、映像表現が凝っているだけに撮影に苦労されたところもあったのではないでしょうか。
 
ポルガール・チャバさん:(半分冗談で)1カ月間ずっと座らされていました(笑)タイムラプスの所は1カ月かけて撮っているのですがいろいろ加工されていて……僕がずっと座っているわけではないです(笑)。
 
パールフィ・ジョルジ監督:彼にはまばたきするなとは言いましたけどね(笑)
 
ポルガール・チャバさん:ビジュアルに関してはおっしゃる通りかなり想像力豊かなものだったのですが、その分僕は棒のように言われるがままに指示に従って演技に当たりました。勝手に自分の想像が走ってしまうこともあったのですが、そういう時は自分で自分を止めて。というのは、映像がどのように作っていきたいかというのは当然ながら撮影監督と監督が頭の中で完璧に作っていますので、彼らの言う通りに従うのがベストなんです。

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