Close
2018.11.07 [イベントレポート]
「生まれ育った故郷をこのスクリーンの上に表現したかった」10/29(月):Q&A『はじめての別れ』

はじめての別れ

©2018 TIFF

 
10/29(月)、アジアの未来『はじめての別れ』上映後、リナ・ワン監督、プロデューサーのチン・シャオユーさんをお迎えし、Q&Aが行われました。
作品詳細
 
石坂PD(司会):ようこそお越しくださいました。実はですね、この花束の意味がございまして、何と、監督のリナ・ワンさんは、10月17日にご結婚されたばかりで、まだ10日間しか経っていない…おめでとうございます。で、この映画祭がワールドプレミア、世界初上映ということと、このご結婚ということで、ダブルハピネスということで、大変おめでたい席でございます。じゃあ、一言ご挨拶いただいて始めたいと思います。
 
リナ・ワン監督:皆さんこんばんは、リナ・ワンです。本日、私の映画を観に来てくださいまして、本当にありがとうございます。
 
チン・シャオユー:皆さん、こんばんは。チン・シャオユーと申します。映画のタイトルは『はじめての別れ』という初めての離別の話なんですけれども、我々の映画は実は今回のワールドプレミアが初めての上映でございます。皆さんがここに集まってくださいまして、本当にありがとうございます。
 
石坂PD:大変美しい風景、そして子供たちの演技…演技なんですかね?存在感なんですけれども、この撮影された場所とそれから子供たちをどういう風に演出したのか、その辺を教えてください。
 
リナ・ワン監督:実は本作のカメラマンが会場にいらっしゃっております。私は彼が手掛けた映像が大好きで、どうしてこのように美しく撮れたかっていうのは、ひょっとしたら彼が答えることが出来るかもしれません。子供たちをどのように演出したかですが、実はこれは映画撮影にあたって、私にとって一番大きなチャレンジ、困難でした。というのは、この映画の中で登場した人たちは全員素人なんです。プロの役者ではありません。ただこの人たちと一緒に映画を撮ることができて、私はとても嬉しいし、彼らにも感謝したいと思います。
 
石坂PD:カメラマンの方はいらっしゃいますか?何か撮影で心掛けたこととか、苦労されたこととか…
 
リー・ヨン撮影監督:この映画はワンカット、ワンカット、何テイクも撮りました。というのは、リナ・ワン監督は非常に自然な表情、演技を重視します。そうすると、映画の撮影の仕方は基本的にはドキュメンタリー映画みたいに何度も何度も撮り直します。その中から役者たちの表情、いい表情をキャッチするというこういう手法で撮りました。
 
石坂PD:はい、ありがとうございます。
 
リナ・ワン監督:もう少し、演出についてお話をしたいと思います。本作の子役なんですけれども、私は半年かけてキャスティングをして、ようやくこの3人を見つけました。ひとつのエピソードを紹介したいんですけれども、この映画の中に可愛い女の子がいましたよね。実は私はどこで彼女に出会ったかと言いますと、本当に倒壊寸前の古い家の前に、彼女は赤いスカートを履いて、そこで踊っていたんです。「まぁ、なんて素敵!なんて可愛い!なんて心がとらわれるような美しさ!」本当に太陽の光がいっぱい、というような印象を受けました。私にとって彼女は森の中の妖精のような存在です。そこで私も自分が監督であることを忘れて彼女に声を掛けて、彼女も私が監督であることを忘れて、「お母さん、お母さん」と呼んでくれました。私は彼女のお母さんと同じ年齢なんです。私は彼女のような素人を起用するときに、出来るだけプレッシャーをかけないように、本当に親子が接するように接します。そうすると彼女たち、彼らは自由自在に色んなことを、演技をすることが出来るようなります。そういう風に演出しました。
 
石坂PD:撮影場所は監督の故郷の近所ということでしたけども。
 
チン・シャオユーさん:撮影の場所は、まさしく監督の生まれて育った場所、故郷でございます。「この映画を私の生まれ故郷に捧げる」テロップが映画の最後に出ます。
 
Q:なぜこの映画を作りたいっていうきっかけを教えていただければと思います。
 
リナ・ワン監督:私の父の職業がカメラマンでした。小さいときに、いつも父親の自転車の後ろに座って、父親と一緒に村から村へと巡回して、皆さんの写真を撮っていました。出会った人はどなたもとても親切で優しくて。そういった部分を私は何としてもこのスクリーンの上に表現をしたかった、それが理由です。
 
石坂PD:ちなみに監督が勉強されたのは電波大学?
 
リナ・ワン監督:中国メディア大学です。
 
石坂PD:そこで演出というか、映画監督の勉強をされたということですか?
 
リナ・ワン監督:そうですね。ずっと監督になりたかったというわけではないんですけれども、人間観察や、人間を研究することは大好きでした。
 
Q:この映画に出てた子役の子たちがこの映画を観て、その子たちの感想はどうだったんでしょうか?
 
リナ・ワン監督:3人の子供たちは実はまだ完成した映画は観ておりません。以前撮った映像、つまりラッシュを断片的に観たことはあります。
 
石坂PD:はい、ありがとうございました。今日この場が世界初めての上映でしたので、ぜひお帰りになって出演された皆さんに観ていただくとまたいろんな反応が返ってくると思います。
 
チン・シャオユーさん:監督は今、旦那様としばらくの間『はじめての別れ』中です。

オフィシャルパートナー