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2018.11.02 [イベントレポート]
『カメ止め』プロデューサー役・竹原芳子、人生が変わった
映画コムニュース
©2018 TIFF
映画.com

第31回東京国際映画祭で、協賛イベント「BS10 スターチャンネル 映画アカデミー:今どきのヒット映画の裏側」が11月1日、東京・六本木アカデミーヒルズ オーディトリアムで行われ、映画ジャーナリストの大高宏雄氏、『カメラを止めるな!』のプロデューサー役で女優の「どんぐり」こと竹原芳子、20世紀フォックス映画の営業本部「FOXサーチライト」アソシエイトディレクターの平山義成氏が登壇した。

2018年間興行収入ランキングは、1位『劇場版コード・ブルー ドクターヘリ緊急救命』(91億円)、2位『名探偵コナン ゼロの執行人』(88億円)、3位『ジュラシック・ワールド 炎の王国』(80億円)、4位『スター・ウォーズ 最後のジェダイ』(75億円)、5位『映画ドラえもん のび太の宝島』(53億円)。大高氏は「数字ではない見えない部分に本筋がある。3位の『ジュラシック』は前作に比べると、落ちている。4位『スター・ウォーズ』も当初の力よりも落ちた。一方、『名探偵コナン』『ドラえもん』は歴代トップで、大きな意味がある。10位の『万引き家族』(45億円)はとんでもないことになっていて、上半期の大きなトピックだった。カンヌ国際映画祭のパルムドール受賞作が大ヒットしたのは珍しい。『影武者』に次ぐヒットです」と解説した。

製作費約300万円ながらSNSで火が付き、興収28億円を突破して大ヒット中の『カメ止め』に出演した竹原は、「最初の上映となった、さぬき映画祭の時から、すごいことになっていて、みんなで喜びました。ワークショップで始まった作品ですが、監督は、みんなの空気を作ってくれた。飲みに行って、いろんな話をしました。監督は情熱と愛情が深く、大きなもので包み込んでくれた。この映画で、本当に人生が変わりました。9月13日に事務所に所属でき、芸名は「どんぐり」になりました。映画を通していろんな役を演じたい。動物が好きなので、動物に関わる映画に出てみたい」と意欲を見せた。

大高氏も『カメ止め』の大ヒットは予想できなかったそうで「6月の公開当時、新宿の映画館は毎回満席で、2週間目くらいに見て記事を書いた。「全国で1億円を突破してほしい」と書いたら、映画館の人からは「そんなに行くわけない」と言われた。ネタバレ厳禁が大きな特色だが、リピーターが多い。2~3回見ても味が出てくる。私も3回見ている」と分析した。

一方、サーチライト作品『シェイプ・オブ・ウォーター』『スリー・ビルボード』がアカデミー賞に絡み、世界的にスマッシュヒットとなった平山氏は「製作費を最初から決めていて、ほかではできない面白い企画をやっている。この2本も、作り手の野心的な企画を現実的な折り合いをつけて世界的に配給した」と話した。

大高氏は「今、パブリシティという言葉が死語になっているような気がして仕方ない。上から情報ではなく、個人から拡散していくという状況になっている。SNSは一挙に広がっていくが、賞味期限は短い。そういうところに引っかからない映画はどんどん減ってしまう。怖い面もある」と結んだ。

第31回東京国際映画祭は、11月3日まで開催。
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