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2018.11.02 [イベントレポート]
湯浅政明&入江悠、アニメも実写もラブシーンは「恥ずかしい」
映画コムニュース
©2018 TIFF
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第31回東京国際映画祭の特集企画「アニメーション監督 湯浅政明の世界」で11月1日、湯浅監督が携わった短編作品をまとめた『自選短編集 1992-2014』がTOHOシネマズ六本木ヒルズ上映された。湯浅監督は、入江悠監督とともに上映前のトークイベントに出席した。

“湯浅ファン”を公言する入江監督は、自身の監督作『ギャングース』の舞台挨拶後に本イベントに駆けつけたそうで、湯浅監督が「『SR サイタマノラッパー』を見て、『DEVILMAN crybaby』にラッパーが使えると思った。今日は入江監督にお会いしたくて、来ていただきました」と明かすと、「ずっと湯浅監督のファンで、毎作品追いかけてきたので感無量です」と喜びを爆発させた。

その後も入江監督の“湯浅愛”は高まり続け、司会の氷川竜介氏(アニメ・特撮研究家)に「湯浅作品との出合い」を問われると「『マインド・ゲーム』を見た時に、「本当にすごい」と衝撃を受けたことを今でも覚えています」と興奮気味に振り返る。氷川氏が「どのあたりにインパクトがありましたか」と切り込むと、「湯浅監督作品の魅力……、すべてというか(笑)。イマジネーションだったり、キャラクターの躍動感だったり」と熱弁。湯浅監督は、「ありがとうございます。……ありがとうございますしかないですよね」と照れまくっていた。

さらに、「湯浅監督がやられていて、僕には一生できないことなのですが、「恋をした時の甘酸っぱさ」や「うれしさ」みたいなものを表現されているじゃないですか。あれは個人的な何かが反映されているんですか?」と入江監督が身を乗り出すと、湯浅監督は「ほとんど想像ですけどね。逆に、甘酸っぱいってどういうところですか?」と興味津々の様子で切り返す。入江監督は、「難しいですが……湯浅さんの作品を見ていると、“この人が好きになった自分”というのを祝福している感じがあるんですね」と説明。そのうえで、「実写の場合は、監督として俳優に具体的に伝えないといけないので、その瞬間に1回恥ずかしさが出るんです(笑)。それでやめちゃうこともある」と続けると、湯浅監督も「それは僕もありますよ、僕も絵を描く人に「こういう風に描いてほしい」と言うので。ラブシーンとか説明しにくいですよね。具体的に単語を言わないといけないのは、すごく恥ずかしいですよね」と同調していた。

この日上映されたのは、米テレビアニメ「アドベンチャー・タイム」の1エピソード「フードチェーン」(2014)、SFアニメ「スペース☆ダンディ」の第16話「急がば回るのがオレじゃんよ」(14)、売れないレスラーを描いた「キックハート」(12)、07年公開のオムニバスアニメ『Genius Party ジーニアス・パーティ』の一作「夢みるキカイ」。そして「クレヨンしんちゃん」のスピンオフ「ぶりぶりざえもんの冒険」3作、「さくらももこワールド ちびまる子ちゃん わたしの好きな歌」(92)で湯浅監督が演出を手がけた音楽パート「1969年のドラッグレース」「買物ブギー」と、多彩なラインナップがそろう。各作品の感想を聞かれた入江監督は、ここでも「全部素晴らしいです!」「ぜったいに実写じゃできない!」「カット割りが完璧」と、湯浅監督に熱い思いをぶつけていた。

第31回東京国際映画祭は、11月3日まで開催。
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