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第31回東京国際映画祭が開催中の東京・TOHOシネマズ六本木ヒルズで10月31日、山田孝之と佐藤健が兄弟役で共演した『ハード・コア』が特別招待作品として公式上映され、メガホンをとった山下敦弘監督が、上映後のQ&Aに出席した。
作・狩撫麻礼氏、画・いましろたかし氏による漫画「ハード・コア 平成地獄ブラザーズ」を映画化。不器用な性格で、世間になじめず生きる権藤右近(山田)と、世の中に希望を見いだせない商社マンの権藤左近(佐藤)の兄弟が、右近の発掘した謎めいたロボットの存在によって、思わぬ事態に巻き込まれる。主演に加えて、プロデュースを手がけた山田に対し、山下監督は「プロデューサーとして、大好きな原作を守る立場だった。キャスティングも気にしていたし、編集にも立ち会ってくれた」と感謝を示した。
また、原作を担当し2018年1月に死去した狩撫氏については、「映画の完成直前に亡くなって、結局お会いできないままだった。試写にはお越しにならないだろうから、DVDにして送ろうと話していた矢先だった」と無念そうな表情。20代の頃に、原作を愛読し「思い入れが強すぎて、距離感をつかむのが難しかった」と振り返り、「今は、狩撫さんに聞きたいことがたくさんある」と故人をしのんだ。
Q&Aには、いましろ氏も参加し「初めて会ったのはもう25年前のこと。狩撫さんが声をかけてくれなければ、この漫画もこの映画も生まれていない。何事も何気ないきっかけで始まるのかなと……」としみじみ。「映画もお好きな方だったので、何て言うか分かりませんけど、(映画を)見ることなく亡くなったのは残念」と話していた。映画化については「ポシャると思いましたね(笑)。連載の前半と後半で印象が違うので、1本の映画にするのは綱渡りだなと思った」と本音を明かした。
第31回東京国際映画祭は、11月3日まで開催。「ハード・コア」は11月23日から全国公開される。