10/26(金)アジアの未来『武術の孤児』上映後、ホアン・ホアン監督、ジン・ジンチェンさん(俳優)、リウ・ジーハンさん(女優)、シー・ジーさん(俳優)をお迎えし、Q&A が行われました。
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ホアン・ホアン監督:皆さんこんにちは。脚本と監督を担当しました、ホアン・ホアンです。
ジン・ジンチェンさん:皆さんこんにちは。私はジン・ジンチェンです。中国の若手俳優になります。皆さんこの作品を見に来てくださってありがとうございます。
リウ・ジーハンさん:皆さんこんにちは。私はリウ・ジーハンです。女性講師のアン・ランを演じました。
シー・ジーさん:皆さんこんにちは。校長の息子の役を演じました、シー・ジーです。よろしくお願いします。
石坂PD(司会):若い力でつくりあげたという映画だと思うんですが、こういう学校は実際にあるんでしょうか。それともある程度フィクションが混じっているのですか?
ホアン・ホアン監督:この学校は本当にあります。撮影で使ったのも中国で一番大きな武術学校を借りて撮影しました。
石坂PD:それからタイトルですけども、原題は『武林孤儿』ですね。武道の世界の孤児ということですけども、これは特定の意味があるのか、あるいは観客の方にゆだねるのか、教えてください。
ホアン・ホアン監督:孤児というのは、いわゆる人間というのは誰も彼もがあまりにも意固地になりすぎると、孤児になるよ。という意味でつけたタイトルです。
Q:監督にお伺いします、主人公のヨンホンが色んなこと挑戦しますが、何をやってもうまくいかない展開は、最初から考えられてつくったのでしょうか?
ホアン・ホアン監督:この映画を撮る前に自分のお父さんが軍隊の中で体育教師をやっていたんです。自分もお父さんに北京に連れられて、体育の学校に入れられたので、この映画を最初考えていた時は、どちらかというと体育の苦手な男の子を主人公に考えていたんです。自分がこの脚本を書いた後、自分も成長しており、色々知識が入っていたので、主人公を学校の先生に切り替えました。自分として描きたかったのは、例え失敗しても笑顔でいれば何とかなるんじゃないか、ということです。
石坂PD:ジンさんはそういうあたり、どういう役作りをしたのか教えていただけますか?
ジン・ジンチェンさん:この作品に入る前にはもちろん、色々準備はしました。ただ1年前の撮影なので、あまりよく覚えてない部分があるんですけども、確か役に入り込めたのは撮影開始から3日目くらいだったと思います。もちろんその前にも監督とも色々とこの人物についてもディスカッションをしたのですが、方向性がうまく定まらない状態で。3日目くらいに突然このキャラクターに入り込むことができて、また監督からもOKがでて、そのままこの役を演じきったという感じでした。
石坂PD:それでは他のお二人もお願いします。
リウ・ジーハンさん:まず監督と初めて会ったときは、演技テスト、いわゆるオーディションの時でした。実は最悪の状態の時で、前日に友達と飲みすぎまして、二日酔いの状態だったんですね。監督と話しをしていても、ずっとぼーっとした状態で話をしていました。監督からは、「まさにアン・ランというのは自分が考えているのはこういう感じなんだ」という風に言われました。アン・ランというのは猫と同じだ。猫というのは飼い猫であろうが、野良猫であろうが太陽がでているところであれば、のたりと出て行って、ぼんやりと座っているような状態ですよね。「アン・ランというのはまさにそういう状態なんだ」と言われたので、監督の要望通りの演技ができたかと思います。
石坂PD:保健室の先生というのは、日本の学園映画でも必ずマドンナという役で出てきますよね。
シー・ジーさん:この役の映画の中における作用は、ある意味希望という作用だと思うんですね。自分自身は校長の息子で、足は確かに悪くて廃人のような状態なんですけども、それでも誰にもいじめられないという、ある意味希望的な部分だったと思います。恐らく監督はたぶん見た目で選んでくださったんだと思います。ですから、性格の部分を入れれば、簡単に校長の息子の役に入れたと思います。
Q:映像に関してはもちろん撮影監督さんも別にいらっしゃると思うのですが、監督は何か心がけて撮影をされたのでしょうか?
ホアン・ホアン監督:まず、見ていただいて分かると思うのですがこの映画は大きな映画ではありません。役者はすごくいい役者さんたちを入れることができたのですが、製作費が少ないので、まず画面を綺麗にして人の目を惹く。そういう所をまずみんなで考えたという部分があります。例えば悲惨ないじめの場面でも画面が綺麗であれば人を惹きつけることができるという風に考えたので画面を綺麗に撮ることは心がけました。
石坂PD:場所ですけれどもこれは特に特定されていませんがホアンさんに先ほどお聞きしたら多分河北省ではないかということなんですね。
ホアン・ホアン監督:この映画の舞台として考えたのが河南省なんですね。少林寺のすぐ近くにある学校なんです。この学校というのが中国でも一番大きな武術を教える学校であって、今は新しい校舎ができてそこには10万人ぐらいの生徒が入れるようになって、この古い校舎にもまだ生徒はいるのですが丁度あと2,3年でこの校舎も取り壊されるということで何とかそれに間に合ってそこを借りて撮影をしました。
石坂PD:河南省でしたね。