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湯浅政明監督のオリジナル長編アニメ『夜明け告げるルーのうた』が10月28日、第31回東京国際映画祭の特集企画「アニメーション監督 湯浅政明の世界」で上映された。湯浅監督はTOHOシネマズ六本木ヒルズでのトークイベントに出席し、新作『きみと、波にのれたら』が2019年初夏に公開されることを発表。前作に次ぐオリジナル長編となる同作について、「シンプルなラブストーリーです」「基本的には、まっとうなラブストーリー。ラブコメですかね」と明かし、ビジュアルも初披露した。
『きみと、波にのれたら』の舞台は、海辺の街。大学入学を機に引っ越してきた19歳の女性・ひな子は、サーフィンが大好きで、波の上では怖いものなしだが、“自分の未来”に自信が持てずにいた。そんなある日、火事騒動をきっかけに21歳の消防士・港に出会い、誰かのために一生懸命になれる姿に惹かれていく。港もまた、ひな子に特別な思いを抱いていた。
同作は『ルーのうた』と関連しており、湯浅監督は「続編ではない」という前置きのうえで「『ルー』の次の話というような、『ルー』とちょっとつながっているところがあります」と説明。さらにラブストーリーに挑戦する意図を、「『ルー』でやらなかったラブストーリーをこちらでやろうという感じですね」「僕のなかではもっともシンプルなお話」と明かしたが、司会の笠井信輔氏に「湯浅さんのなかに隠しきれない作家性があるので、そんなにストレートな物語で終わらない気がする」と指摘されると、「最終的にはそうなるかもしれないです(笑)。すごく意外なところから(物語が)始まるかもしれないですね。スペクタクルもあるし、ドラマの盛り上がりもあります」と語った。
また製作状況は、「絵コンテが終わって、今どんどん絵を作っているところですね」と報告。笠井氏が宮崎駿監督の製作スピードを例にあげながら「製作進行はどうですか?」と問いかけると、湯浅監督は「ちょっと遅れていますけれど、全然遅れていますけれど……。でも宮崎さんよりは早く作ると思います(笑)」と茶目っ気たっぷりに応じていた。
第31回東京国際映画祭は、11月3日まで六本木ヒルズ、東京ミッドタウン日比谷などで開催。