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第31回東京国際映画祭が10月25日、東京・六本木ヒルズで開幕し、オープニングセレモニーが行われた。映画『21世紀の女の子』から総勢39人の女性が参加したほか、上映作品関連の多種多様なゲストがレッドカーペットをかっ歩。“アジア最大級の映画祭”が、今年も華やかにスタートした。
異例の大ヒットを巻き起こしている『カメラを止めるな!』は、Japan Now部門での出品。この日は上田慎一郎監督をはじめキャスト・スタッフ21人が、普段の舞台挨拶とは打って変わり、ドレッシーな装いで登場した。フォトコールでは上田監督自らがそれぞれの立ち位置を指示したほか、「間から顔出して!」「笑顔で!」などエネルギッシュに鼓舞し続けた。
気負いはなく、むしろ大舞台を楽しんでいるような表情を輝かせた一同。上田監督は「今日で、公開から125日目です」と目を細め、「ここまで来られると思っていなかった。スタッフ・キャスト横一列でつくった作品。みんなで歩けて嬉しい」と噛みしめるように語った。
有川浩氏原作の『旅猫リポート』からは、福士蒼汰、広瀬アリス、三木康一郎監督。福士が車から降りると、「蒼ちゃーん!」と女性ファンが歓声が上がる。福士らはサインなどファンサービスを行った後、公式インタビューには主演ネコのナナを抱きながら対応していた。さらに山田孝之&佐藤健が共演した特別招待作品『ハード・コア』の山下敦弘監督と“ロボオ”(劇中のロボット)は、肩を組んで雄叫びを上げていた。
応援上映イベントが催される『KING OF PRISM PRIDE the HERO』では、パーティを開くDJ KOOが出席。カメラマンからの呼びかけに「そっち向きます!」「上の方、お願いします!」「イエーッ」とノリノリで目線を配り、テンポよく撮影を終え、風のように去っていった。「フットボール映画ベストセレクション」の元サッカー日本代表・北澤豪氏は、特大ボールをリフティングしてみせ観客を沸かせる。映画祭メディアパートナー「LINE LIVE」の公式サポーター・永島聖羅(元乃木坂46)は、キュートな笑顔を振りまきカーペットを練り歩いた。
また『21世紀の女の子』は、多数の新鋭監督と女優がタッグを組んだオムニバス映画で、すべての作品が“自分自身のセクシャリティあるいはジェンダーが揺らいだ瞬間”がテーマ。企画・プロデュースの山戸結希監督をはじめ松本花奈監督、各編主演の石橋静河、唐田えりか、北浦愛、木下あかり、倉島颯良、瀧内公美、日南響子、堀春菜、松井玲奈、三浦透子らが登場した。
今年5月の第71回カンヌ国際映画祭で、映画業界にかかわる80人以上の女性がレッドカーペットを歩き、多様性と平等を求めたことも記憶に新しい。今作の根底には、日本映画界における“女性の格差是正”を訴える目的があるというだけに、山戸監督は「『21世紀の女の子』というプロジェクトに参加するすべての映画監督、すべての女優さんにとって、たったひとつの未来を夢見る心が、この華やかな場で可視化されるということに、心からの喜びを感じます」と万感の思いを込め、「こうした場を通して、その足跡を見かけた、ある女の子の心が、その暗闇において勇気づけられ、鼓舞されるような光景が、2018年年10月25日の六本木にあることを、ただ願っています」と結んだ。
第31回東京国際映画祭は、11月3日まで開催。