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2018.10.25 [イベントレポート]
役所広司、特集上映の意外な注目点をアピール 松岡茉優はTIFFを通じた“連鎖”を期待
映画コムニュース
©2018 TIFF
映画.com

第31回東京国際映画祭のオープニングセレモニーが10月25日、東京・EXシアター六本木で行われ、Japan Now部門で特集される役所広司、 アンバサダーを務める松岡茉優、オープニング作品『アリー スター誕生』のスペシャルサポーター・寺島しのぶ、レイフ・ファインズ、コンペティション部門のブリランテ・メンドーサ審査委員長らが出席した。

セレモニーは、和太鼓演奏グループ「DRUM TAO」による圧巻のパフォーマンスで幕を開けた。特集企画「映画俳優 役所広司」として『孤狼の血』『キツツキと雨』『CURE』『うなぎ』『Shall We ダンス?(1996)』が上映されることになった役所は「(上映作品は)20数年にわたる5本の映画。どうやって役者の肌や色々なものが劣化していくのか――使用前、使用後を楽しんでいただければ光栄です(笑)」と挨拶して笑いを誘った。過去に出演した作品は「見返すことがないんです。(鑑賞は)老後の楽しみにとっておこうかと思います」と明かしつつも「素晴らしい監督たちの作品ですので、お客様には楽しんでいただけると確信しています。(上映時には)裏話も話しますし、昔のことだから時効になった話もありますので、是非劇場に足を運んでください」とアピールしていた。

第30回では『勝手にふるえてろ』がコンペティション部門の観客賞を獲得し、「東京ジェムストーン賞」にも輝いた松岡は「映画というのは、国、言葉、文化を超えて、たくさんの方に届くコンテンツだと思います。私自身、映画には何度も救われましたし、映画を見たことで、人に優しくできたりもしました」と客席に言葉を投げかけた。そして、海外メディアが多数集まる同映画祭を通じて「“映画を見て温かい気持ちになる”というものが連鎖する日がくるんじゃないかと信じています」と思いの丈を述べていた。

寺島は『アリー スター誕生』について「ブラッドリー・クーパー監督の演出が見事で、役者にしかできない観点の映画になっています。そして、レディー・ガガさんの存在が強烈。それまで抱いていたイメージが全て払拭されました」と激賞。また、コンペティション部門出品作『ホワイト・クロウ(原題)』のメガホンをとったファインズが「映画というのは、若いフィルムメーカーのアイディアや視点を頼りにしていかなければいけない。全世界の若い世代の方々を応援していきたいと思います」と映画界の未来に思いを馳せるひと幕もあった。

フィリピンの巨匠メンドーサ監督は、審査員を務める『セールスマン』の主演女優タラネ・アリドゥスティ、女優の南果歩らとステージへ。「私たちは、東京国際映画祭が持つミッションと同調しています。それは力強い物語を伝えるフィルムメーカーたちの道をひらくこと。また、全てのフィルムメーカーは「物語を伝えることによって“変化”を生じさせる効果や影響力を持っている」という責任があることを覚えておいていただきたい」と言葉に力を込めていた。

そのほか、平井卓也内閣府特命担当大臣、宮田亮平文化庁長官も登壇した。第31回東京国際映画祭は、11月3日まで六本木ヒルズ、東京ミッドタウン日比谷などで開催。
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