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2018.11.02 [イベントレポート]
武田梨奈、マリリン・モンローの魅力にメロメロ「セクシーなだけじゃない」
映画コムニュース
©2018 TIFF
映画.com

マリリン・モンローが出演した名作喜劇『お熱いのがお好き』が11月2日、第31回東京国際映画祭のトリビュート・トゥ・コメディで上映され、女優の武田梨奈と映画監督の本木克英がトークショーに出席した。

『七年目の浮気』などのビリー・ワイルダーが監督し、マフィアに追われるミュージシャン2人が女ばかりの楽団に逃げ込む姿を描いた。ワイルダー監督の大ファンだという武田は「『麗しのサブリナ』が好きで、高校生まではオードリー・ヘプバーン派だったんです。でも最近はマリリン・モンロー派で、見返すと、ま~面白い」と明かし、「白黒映画ではありますが、ワイルダー監督作は見やすくて入りやすい」とほほ笑んだ。

本作の最大の魅力は、女性歌手シュガーに扮し、「I wanna be loved by you」のミュージックシーンなど記憶に残る名場面を紡いだモンローの存在感。武田は「名言がたくさん出てくるんですよね。それも、一言をポンと言うじゃないですか。シンプルな一言が重かったりする」と目を細め、「(モンローの)姿を目で追ってしまう。ひとつひとつの仕草がセクシーなだけじゃなく、女性が見ていても“良い”んです」とうっとりと話した。

なおも武田は、「セリフもしゃべり方も、嫌味なことを嫌味っぽくなく言えるのが魅力。「あなたは胸が小さくていいわね。私は大きくて、持て余しちゃう」。これもマリリン・モンローだからこそ嫌味に聞こえない」とあこがれの眼差し。大きく頷く本木監督も、「よくマリリン・モンローにここまでやらせているな、と監督として思った。その点でもビリー・ワイルダーを尊敬する。今だったら、事務所のマネージャーに囲まれる。本作は忖度がない、理想のコメディ」と唸っていた。

一方で『超高速!参勤交代』などで知られる本木監督は、約24年前にアメリカで撮った、ワイルダー監督との2ショット写真を披露。「ワイルダー監督のギャラリーで。当時の僕は(映画監督として)なかなか芽が出ない状態だった。監督に「どれだけ企画を練ってもうまくいかない。どうしたら」とバカバカしい質問をしたんです」としみじみ振り返る。その返答は「楽しんでやっているのか?」だったといい、「「きみが楽しんでないものを、人は楽しまない。Just have fun」。金言でした。小難しい映画をつくろうとしていた意識がなくなり、肩の力が抜けました。そこから喜劇を志すようになり、数年後に監督デビューできた」とリスペクトを込め語っていた。

また、東南アジアの映画に携わることが多い武田。「スタントマンの胸を蹴るアクションで、本気で当てたんですけど「もっと本気で!」と言われ、さらに本気で当てたんです。(相手は)カットがかかっても悲鳴をあげ、そのまま救急車で運ばれていった。あばらを折っちゃったみたいで。でも周りは「ナイス!」と笑っている。私は当時21歳くらいだったので、怖くなって泣いてしまった」と、日本とは異なる“映画づくりの価値観”がうかがえるエピソードを告白し、場内を驚かせていた。第31回東京国際映画祭は、11月3日まで開催。
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