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湯浅政明監督の長編初監督作『マインド・ゲーム』が11月1日、第31回東京国際映画祭の特集企画「アニメーション監督 湯浅政明の世界」で上映され、湯浅監督と原作者・ロビン西氏がTOHOシネマズ六本木ヒルズでのトークイベントに出席した。
2004年に公開された本作は、ロビン氏の同名漫画を原作に、一度は死にながらも生き返った男の生きざまを、実写や3D、2Dなど多彩な映像表現を駆使してハイテンションかつエネルギッシュに描いた。
湯浅監督は、原作漫画との出合いを「2000年頃に『(音響生命体)ノイズマン』監督の森本晃司とか、(アニメーターの)田中達之に「この漫画面白いよ」と見せられて。その1年後に映画化の話をいただきました」と述懐。一方のロビン氏は、「先ほど出てきた森本晃司さんとか田中達之さんとかが(原作漫画を)好きになってくれた」と話し、「だが、どうも(映画化を)湯浅さんに押し付けたような雰囲気がありました(笑)」とぶっちゃける。
これに対し、湯浅監督も「当時、とにかくロビンさんのファンがたくさんいて、みんなが「ロビンさんはすごいんだよ。この漫画はすごいんだよ」と言っていた。でもその人たちは作らないんですよ。「湯浅くん作りなよ」みたいな。で、あまり手伝わない(笑)」と乗っかり、笑いを誘う。さらに、原作ファンの多さゆえに「すごくやりにくい状況でした」と当時の心境を吐露すると、ロビン氏は「でもさすがに湯浅さん」「これだけ年月が経ってみて、やっぱり湯浅さんに押し付けて正解だったな(笑)」と絶賛した。
周囲の勧めもあり、長編初監督に挑むことになった湯浅監督。製作時には、「やっぱり原作が、ロビンさんがすごい」と痛感したそうで、「ロビンさんの絵は、すごくラフというか。描きなぐったように描かれているんですね。でも、それに嘘がないというか。直観的に本質をとらえた絵を描かれているというか。それがすごい」と説明する。そのうえで、「でもそれをアニメーションに置きかえるのはすごく難しくて。アニメーションは整えていく作業なので。原作の勢いのようなものを作っていくかが課題でした」「でも、面白い原作をやれるのは楽しい作業でした」と告白した。
第31回東京国際映画祭は、11月3日まで開催。