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阪本一樹と須賀健太がダブル主演を務めた青春ロードムービー『サイモン&タダタカシ』が11月1日、東京・六本木で開催中の第31回東京国際映画祭「Japan Now」部門で上映され、メガホンをとった小田学監督、同部門プログラミング・アドバイザーの安藤紘平氏がQ&Aを行った。
工業高校卒業後、大学に進学するサイモン(阪本)と実家の工場を継ぐ親友タカシ(須賀)。男だらけの生活に焦ったタカシの提案で、2人は“運命の女”を探す旅に出る。ギター片手に全力で突き進むタカシに、秘めた思いを伝えられないサイモン。夜空に流れ星が降った夜、2人の旅は予測できない結末へと進み出す。
作品の印象を、安藤氏は「最初はコミカルなラブストーリー、青春ムービーのような始まり方ですけど、途中で後ろからぶん殴られるようなとんでもない展開になりますね」と振り返る。小田監督は「最初に書いた時は良く思われたいからもうちょっとお行儀が良くて、(劇中に登場する)ケンタウロス、UFO、爆発もなかったんです」と明かし、「そうしたら、ある方に「なめてんの? もっと本気でやれよ」みたいな感じで怒られて……自分のやりたいことをとりあえず書いてみようと練り直しました」と裏話を披露した。さらに観客からは「ただただくだらなさ過ぎて、楽しめました」という感想が寄せられ、小田監督が「怒られるのかと思った」と大笑いするなど、会場は終始和やかな雰囲気で包まれた。
主人公2人のキャラクターについて問われた小田監督は「自分の中にあるものでしか勝負できないと思った。(本作でも描いたように)僕は男の人が好きで、面白いと感じるんです」と語り、「実際に26歳くらいまで、小学校の同級生のことがとてつもなく好きで。その思いを描きたかったので、サイモンは僕、僕の理想の男性としてのタダタカシ、という設定にしました」と、自分をモデルにした物語であることを明かした。
「物語発想のきっかけは?」という質問に、小田監督は「台本書く時にどうしようもなくて、「何か出てこい」と考えながら街を徘徊して。僕の地元が埼玉県熊谷市なんですけど、とんでもなく暴走族がいて、実家に帰ってくるたびに年々(数が)減ってくるので「どこに行っているんだろう?」と考えたのが、きっかけになりましたね」と解説した。
第31回東京国際映画祭は、11月3日まで開催。