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第31回東京国際映画祭・ユース部門の、中学生向け映画ワークショップ『TIFFティーンズ映画教室2018』で制作された短編と、その模様を追ったドキュメンタリー『映画がうまれるとき』が10月28日、TOHOシネマズ六本木ヒルズで上映された。
全国の中学生を対象に、応募のあった中から抽選で24人を選抜。『勝手にふるえてろ』で昨年の東京国際映画祭の「観客賞」を受賞した大九明子監督を特別講師に迎え、6人ずつ4班に分かれて夏休みの8日間を利用し、企画から撮影、編集、ポスター制作までを行った。
『カミサマノオトモダチ』『煎餅』『Birthday』『15の夏 優しい嘘はだれを幸せにするのか』の、いずれも10分前後の4作品。大九監督は、「そもそもプロとアマに分ける感覚はなくて、映画が作りたいと思って集まった皆は同じ立場。いつの間にか楽しんでいる自分がいた」と講評した。
特に、『煎餅』に関しては「プロデューサーから「あまりに面白くないアイデアをやろうとしていますが、どうしましょう」と聞かれたので、何が面白いのか聞きたくて、いろいろとディスカッションをした」と説明。「日常を切り取る中で、笑いをやりたいということが分かったので口出しのしがいがあった。いろいろな発見もできて面白かった」と満足げに話した。
『映画がうまれるとき』を監督した吉川麻衣子さんは、「素材が54時間分もあって、皆がキラキラしている夏が詰まっているので胸がいっぱいになり、なかなか切れなかった」と苦しい胸の内を吐露。それでも、「全員が同志の感覚。子どもたちが一生懸命動くと、同時に大九監督も動いていたのが面白かった」と振り返った。
企画・運営をしたこども映画教室代表の土肥悦子さんは、「どの作品もよくできている。数カ月前のことなのに昔のようで、あらためて濃縮された時間だったんだなと思う」としみじみ。中学生を対象にしたのは昨年に続き2度目で、「センシティブで一番面倒くさい時期なのでやりたくなかったが、やりたい気持ちが勝ったのが去年。今年は“恐怖症”もなくなり、一緒に作る喜びを感じられました」とさらなる継続に意欲を見せていた。
第31回東京国際映画祭は、11月3日まで開催。